デケルバン病の患者は手首の親指側の部分の腱が痛みます。腱はロープのような構造をして筋肉を通じて骨を引く役目をします。指を伸ばせば手の甲に現れてくるのが腱です。
デケルバン病ではトンネル(第1コンパートメント、図1A、1B参照)があり、腱がその狭いところを通過します。これはトンネルを構成する中の組織が分厚くなり、中の体積が増えることで引き起こされます。この状態では手や親指は特につかんだり、ひねったりする動きで痛みが出ます。
デケルバン病の原因は明らかではありませんが、手の使い方が変化することで引き起こされる可能性があります。繰り返しの使用やホルモンの変化や腫れが原因として考えられます。分娩後4-6週でも生じます。
デケルバン病の患者はよく知覚過敏、鈍痛や腫れを親指の付け根や手首に訴えます。どの年齢でも生じます。
治療には以下の様なものがあります。
このような治療方法でも症状が軽くならない場合は、このトンネルを開いて腱の通るスペースを作る手術が必要になります。担当の手外科専門医とよく相談して下さい。